~古民家・定年・集いの場~「やたいさんのコテツの部屋」

◆10年程前「私の夢:集いの場をどう作るか」というブログを行っていました。夢は達成されていませんが、これまで行ってきたことや、今後の取り組みなどを、時事的なものと絡めて記していきます。コ(古民家)テ(定年)ツ(集いの場)がキーワード。

◆515万人の帰宅難民

4月9日の朝日新聞によると、「東日本大震災の本震が起きた3月11日、自宅へ帰れず
会社に泊まるなどした人が、廣井悠・東京大助教(都市防災)らの調査で首都圏全体で
2割、うち東京都内で3割いたとの結果が出た。
地震発生当時、外出中で都内にいた人は約1千万人と推定され、そのうち300万人の
帰宅が困難になった計算という。」

しかし、11月23日の朝日新聞では「東日本大震災による首都圏の帰宅困難者は約515
万人に上ったと推計されることが、内閣府の調査で分かった。」と
その数が大きく修正された。

4月9日時点では、「8割が当日帰宅した」との数字も出ていたが、都内へ通勤している
埼玉、横浜、千葉県民は、当日動いた電車は一部の地下鉄のみだったと記憶している。
つまり、都内通っている近県都民はほぼ全員帰宅困難になったはずである。

「東京都で352万人、神奈川県67万人、千葉県52万人、埼玉県33万人、茨城県10万人が、11日中に帰宅できなかったとする推計結果が出た」という記事もある。

この時、会社で泊まったのではなく、交通機関ストップのため多くの人が歩いて帰宅しようとしたり、その途中のターミナル駅で一夜を過ごした人が500万人近くいたことになる。

私が避難所対応の職員として待機を命じられ、人数が足りたからとして解放されたのが
午後9時過ぎ。
自宅からはJRに乗り、1時間ちょっとで職場に着くのだが、歩くと40キロ程の距離が
ある。
私は2年半程前に、職場から丁度半分の距離の武蔵浦和駅まで歩いたことがあり、
40キロの距離は実感している。
夜歩くことの大変さも良く知っていたので、私の判断は「職場で一夜を過ごす」だった。
しかし、職場で泊まった者はほんのわずかで、殆どの職員は歩いて帰宅の途についた。
職場は寒かったが、結果としては判断は間違っていなかったと思う。
40キロを歩くと普通に歩いて、8時間はかかるはずである。

東日本大震災津波などに襲われた人の話を聞くと、その時々に迅速に適切な判断を
しないと、生き延びられない。
NHKスペシャルで指摘された、「正常性バイアス」=危険な状況においてなるべく
危険を感知したくないという心理や、「同調バイアス」=危険な状況において自分と
同じ考えの人に従う、という2つのバイアス(思い込み)がある。

集団で歩いて帰る異常な状況、早く家に帰りたい、家族と会いたいという気持ちの中で、
どのように判断できるかは、心もとない。

会社などに3日間泊まれるだけの食料の備蓄をするような通達も出されているようだ。
色々な状況が起こることを考えれば、有効なことだろう。