~古民家・定年・集いの場~「やたいさんのコテツの部屋」

◆10年程前「私の夢:集いの場をどう作るか」というブログを行っていました。夢は達成されていませんが、これまで行ってきたことや、今後の取り組みなどを、時事的なものと絡めて記していきます。コ(古民家)テ(定年)ツ(集いの場)がキーワード。

◆「花の森こども園」は認定こども園へ

◆花の森こども園は、「自由と友愛の幸福感を持つ人となる土台を育む」事を目標とする自然保育の幼稚園である。今から1年ほど前に葭田あきこさん代表のお母さんたちが手探りで作り上げてきた。皆野町の美の山の麓のムクゲ自然公園内にある、自然豊かな環境に恵まれた中にある。

こども園は、今の日本の保育や教育のアンチテーゼとして存在している。市内の幼稚園の、教育重視への方向転換に反対した保護者が、それでは自分たちで理想の幼稚園を作ってしまおうということで、なんと4か月で始めてしまったのだ。このロケーションも後押しし、自ずと今の保育方針が固まっていく。

◆先ずは、自然の中で生きる命を大事にした保育。自然に産み落とされたチャボの卵を子供が見つける。いきもの係が山羊小屋やチャボ小屋の糞や藁の掃除をする。ムクゲ記念公園全体をフィールドとし、ポシェットの宝物袋にドングリや虫等が、散歩帰りのお土産となる。東日本大震災による福島第一原発事故以前は、シイタケ・シメジ等の山からの贈り物もみんなで育てて食べていた。チャボがトンビに襲われた時も、一人の子が「みんなでお腹の中に入れてあげてくようしよう」と提案、みんなも賛成し、急遽地元の人に捌いてもらい、文字通り命をいただくことになった。

◆大事にしているのが、子どもの主体性を尊重した保育。人数も22人という規模だから言えることかもしれないが、こども園では一人ひとりのペース、判断を何よりも優先する。職員は指示や手を出すことをできるだけしないで、見守ることに徹する。喧嘩が起きても、大人の判断で介入しない。「どうしてこんなことになっちゃったの?」双方の言い分を引き出せるような支援に徹する。昼食も全体で一緒に取ることはなく、子ども一人ひとりのペースで準備し片付ける。子どもは大人が適切に関わることで、本来自ずと成長する力がある。嫌いなこと苦手なものを矯正しない保育。顧みれば、大人の都合でいかに子どもを枠にはめようとしているか。

◆このような環境と保育方針なので、他の幼稚園で受け入れしてもらえなかった子供でも、少しずつ園の仲間になじんでいく。葭田さんの視点は、子どもの時期にのびのびと成長する機会が不足していた、引きこもりや不登校の子にもおよぶ。ムクゲ公園内のも一つの場所「かなりや」、吉田町の空き家で始めた「ゆいっこ」は若者と多世代交流や就労支援を行っている。こども食堂のはしりの学び合いの場「寺子屋」も行っている。家と社会(学校)以外のサードスペースとしての集いの場でもある。

◆探検隊でも何回か訪れている花の森こども園。地域の中での共生の場の必要性を考えている私としては、葭田さんの考えにいたく共感している。花の森こども園は、自分たちの園舎を新しく建て、県の認可基準を満たした認定こども園(地方裁量型)として旧吉田町に場所を移して自立していく事を決めた。今後も、是非関わりを続けていきたいと思う。

NPO法人花の森こども園 | 埼玉県 秩父 皆野町 森のようちえん 花の森こども園 イベント予定や活動記録をご紹介しています

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