◇「大正サロン」(豊島区)
社会福祉士会の例会で、「大正サロン」の見学に行ってきた。
「大正サロン」は6年前に、大正大学の大学院生の発案で、大学もバックアップしてできたサロンだ。
今日の見学の案内役の天野敬子さんもその時のメンバーの一人で、「大正サロン」を運営している
「NPO法人でもくらしい」の理事でもあります。
「大正サロン」は基本的にはフリースペースで、月~金の平日の11時から18時まで開いている。
スタッフ1名が常駐し、学生のサブスタッフもいるようだ。
内容としては、①地域の人が自由に利用できる場所 ②そこから生まれた「Mamma倶楽部」
③月曜日の不登校やひきこもりの人を対象とした「ぽれぽれ倶楽部」④展示スペースの提供
⑤学生出前定期便(大学生による高齢者世帯へのちょいボラ)⑥季節に合った行事・大学の教職員による
イベント開催等だ。
「Mamma倶楽部」とは、西巣鴨小学校と巣鴨北中学校の特別支援学級と駒込福祉作業所に通っている利用者と
保護者の有志が集まったもの。
学校と家、作業所と家だけではなく、地域の中で共に楽しく生活するための学びや、仲間意識の育成、
また地域の中での自分たちの役割を見つけること等を目的として結成された。
「ロックスター」懐メロパーフォーマンスは4人の中学生。昭和30年から40年にかけての歌謡曲メドレーを、
10分もの長い時間を歌と踊りで元気に演じきった。一般の学園祭で演ずる自信にあふれ、とても楽しそうな
笑顔が印象的であった。
運営に必要な資金(家賃や高熱水費、人件費)は基本は大学や大学の卒業生が作る社会福祉学会から
出されている。オープンした時の3年間は、豊島区の地域活性化促進事業の補助金が出ていた。
事業型の活動をしていないので、運営資金に関しては、時勢の影響もあり年々厳しさを増しているようだ。
オープンな雰囲気の入り口からは、皆中を覗くように人が通っていく。
この6年で、地域の中で、あきらかにその存在を認められているようだ。
大学や専門家+当事者(子供、障害者や高齢者)+地域住民や学生のコラボがうまくいっている印象があった。
天野さんは、豊島区内で他にも、「みんなのえんがわ池袋」「ワンダーグレープ」という
違うタイプの「コミュニティ・カフェ」にも関わっており、大変ユニークな活動をしている人だ。
「地域の中に、沢山このような「居場所」ができるとよいのです」と言っていた。
頂いたレジュメには「新たなソーシャルワーク実践への挑戦」と記してあった。