~古民家・定年・集いの場~「やたいさんのコテツの部屋」

◆10年程前「私の夢:集いの場をどう作るか」というブログを行っていました。夢は達成されていませんが、これまで行ってきたことや、今後の取り組みなどを、時事的なものと絡めて記していきます。コ(古民家)テ(定年)ツ(集いの場)がキーワード。

◇「ピノッキオ」(東京都北区)

社会福祉士会の仲間が8月に新たに開設した子どもの広場「ピノッキオ」を見学をしてきた。この「ピノッキオ」を開設したのは川名節子さん。社会福祉士の仲間で医師の資格もある変わり種でもある。一昨年までは大学で、里親等を研究テーマに児童福祉論を教えていた。

◆都営住宅の1階の元中華料理屋だった空き店舗を改修してできた「ピノッキオ」は、手作り感あふれる、木調と色合いで、ちょっとした所に工夫や温かみが溢れていた。ピノッキオのキャラクターも、友人のイラストレーターが描いてくれたとのことで、とてもよいシンボルになって好感が持てる。これは、不動産屋との縁、アーティストでもあるリフォーム業者との縁、多くの協力者や地元の人達との縁に恵まれたからとのこと。「大学では決して学ぶことのできない、地域住民から多くの事を学ばされる毎日を送っている」という言葉には、充実感が満ち溢れてた。

◆現在行っている事業は、①子ども食堂 ②学習支援 ③子育てカフェ ④社会福祉士の資格を生かしてのワンストップ型のよろず相談等。開設後の初めてのイベントは子ども食堂で、月2回火曜日の夕方に行っている。定員は子ども20名、大人10名で、コロナ禍の中開催がストップしているところも多い中、工夫しながら順調に人は集まっているようだ。30名を超えるようになって、月2回を4回に増やし分散型へ切り替え中とのこと。この都営住宅のある地域は、子どもの社会資源である、小学校、学童クラブ、特別支援学校や療育医療センター等が多くある。また、ご多分に漏れず、高齢化が進み、単身の要支援・要介護高齢者からのニーズも多く寄せられているようだ。

◆学習支援に関しては、外国籍の子どもたちや親に対する支援が増えてきているとのこと。引きこもりの相談も出ているようで、場所ができたことで、日々ちょっとした相談が入るようだ。逆に利用者の親が、川名さんにアドバイスをしてくれることも多く感謝しているとのこと。

◆子育てカフェは、赤ちゃんから5歳までの親子が自由に時間を過ごせる場。スタッフも子連れで、他の子も見ながら、和気あいあいと働いている。少し早めに訪ねたので、まだ子供たちが4人、まだ背中に赤ちゃんを負ぶって働くスタッフが2人と賑やかな場面を見れたことも、様子が垣間見れた。

◆課題は何といっても運営資金であろう。収益事業は、よろず相談の1回1000円位。子ども食堂は大人300円を取るが、3000円では食材費のみでも赤字であろう。多くの縁に恵まれ、持ち出しは最低限でここに辿り着けたとの事だが、運営経費の家賃、光熱水費だけでもかなりかかる。補助金クラウドファンディングに取り組んでいく予定のようだが、運営の基礎固めは、走りながら固めていくことになる。

◆「ピノッキオ」から学ぶこと。多くの縁や協力者の力は後押しとして必要な力。継続性のある収益事業は、いくつかないと運営や気持ちが行き詰まる。手作り感のある場所は気持ちが休まる。