~古民家・定年・集いの場~「やたいさんのコテツの部屋」

◆10年程前「私の夢:集いの場をどう作るか」というブログを行っていました。夢は達成されていませんが、これまで行ってきたことや、今後の取り組みなどを、時事的なものと絡めて記していきます。コ(古民家)テ(定年)ツ(集いの場)がキーワード。

◆7月震災ボランティア2日目

今回の作業の初日は、2階3階の教室の片付けであった。
1階は既に別のグループが先週から片づけを始めており、少しずつきれいになりつつはあるが、
子供たちが使っていた教材などは、できるだけ洗って乾かすように干してあった。
それも難しいものは、教室の外側に積み上げられている。
しかし、天井まで水に浸かった教室は、大変な惨状だったはずである。
まだ、手が入っていないトイレや倉庫の中をチラッと垣間見れたが、漂流物と真っ黒なヘドロで
ぐちゃぐちゃな状態であった。
2階と3階は、3月11日当日のままの教室が4ヶ月間ずっと、そこに残されていた。
椅子と机を1階の開いた教室へと移動する。オルガンやスチール棚等のかなり重たいものもある。
避難時に持ち帰れなかった、子供たちが使っていた教材や給食や体育袋等も壁に掛かっている。
掲示物も子供たちが学んだ科目や活動の様子がよく分かり、担任の先生の個性までよく分かる。
一人ひとりの名前、グループで撮った写真、皆良い笑顔で映っており、ついさっきまでそこで、
授業が行なわれていたようだ。
「大好きな歌」というテーマで全員の短冊が張られているコーナーを一枚一枚はがしながら、
歌のタイトルを読み上げていたら、思わず泣けてきた・・・
避難訓練用の頭巾が本箱の上に並べられている教室もあった。
きっと、地震が起きて、先生の誘導で、皆体育館に集合したのだろう。
この中の何人かは既に居ない。この教室に、皆戻ってくることはない。
各自避難した先に近い小学校に、ばらばらで学んでいる。

片付けの最中に2人の親子連れが絵を探しに訪ねてきた。
その日、太鼓をたたいている絵を描きかけて、そのまま避難したままになってしまった。
その絵は、掲示物などと一緒にまとめてとっておいたので、その中から偶然見つかった。
「この絵を仕上げて、また皆さんに見せに来ます。ありがとうございました」と最後に
挨拶して帰って行ったのは3年生になった女の子だった。

「100あるうちの99個は無駄になるかもしれないけれど、1個だけでも探している持ち主に
戻ることが大事」といっていた現地でリーダーとして働いている方がいっていた言葉が、
目の前で現実のものになった。

 

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