~古民家・定年・集いの場~「やたいさんのコテツの部屋」

◆10年程前「私の夢:集いの場をどう作るか」というブログを行っていました。夢は達成されていませんが、これまで行ってきたことや、今後の取り組みなどを、時事的なものと絡めて記していきます。コ(古民家)テ(定年)ツ(集いの場)がキーワード。

◆陸前高田で「面影画(おもかげが)」

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陸前高田市でテントを設営し、六月から3ヶ月間滞在の予定で、「面影画(おもかげが)」を描き続けて

いる黒沢和義さんのことは、以前このブログでお伝えした。

震災で亡くなられた方の面影を、写真も無く、依頼者の記憶と2000枚ものモニター顔写真から、
その人の特徴を浮き彫りにし、イラストとして再現していく、遺族との共同作業である。
また描く前には、1時間ほど遺族との思い出話をじっくりと聞き取ることから始まる。
亡くなった人の生い立ちや口癖等、記憶に残っているその人の言葉を笑顔に添える。

「面影画」とは、今回の震災で亡くなった方々の思い出を絵に焼付け、遺族の想いを結晶にする、
まさに他には例が無いボランティア活動である。

その「面影画」が本になった。
私も、早速2冊注文をし、水曜日に本が届いた。

ブログで、報告されていた内容や写真をまとめたものだが、このボランティアを始めた動機や、
これまで明らかにされていなかった、準備段階や、テント生活の裏話などもまとめられている。

ブログを読んでいる時もそうだったが、この「面影画」に書かれた台詞や、取材時の報告文
(被災者の話)を読むと、その時の状況が目に浮かび、思わず涙が流れてしまう。

黒沢さんは言う。
>震災後の報道を連日見ていて、被災者何千人、行方不明者何千人という言葉に違和感を感じるように
>なりました。(中略)自分の中に芽生えた感情は「何千人ではないだろう。一人ひとりだろう。」
>というものでした。ひとくくりにして良いものと悪いものがある。これはひとくくりにしてはいけない
>ものだ。そういう思いでした。

「私はここにいます」
この本のサブタイトルに、黒沢さんの想いと、
被災された方一人ひとりの思いが、まさに詰まっている。

http://kuroo3.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-6592.html