◇「マーベル・テラス」(さいたま市浦和区)
◆第7回のコミュニティカフェ開設講座は、北浦和から徒歩10分、歩行者専用道路をがイオンまで続き、その裏手にある、「コミューンときわ」の一角に入居している「マーベル・テラス」の見学と、NPO法人クッキープロジェクト代表理事の若尾明子さんの話を聞かせてもらった。
◆「コミューンときわ」とは2020.1月に完成した、コーポラティブハウスのように、つながりを意識した賃貸マンションである。元々は学生向けのアパートだった所を、改築したとのことだった。この「コミューンときわ」は青木純さんの「まめぐらし」のプロジェクトの一つでもあるようで、JR東日本都市開発と共に取り組んでいる「高円寺アパートメント」「南池袋公園」等の公共空間活用の企画者でもある。中庭や集会室等の公共空間や、住み開きの店舗用の部屋も備わっている。「マーベル・テラス」は食堂として作られていた空間だ。中庭や集会場、スタジオ、屋上庭園等は共有空間として使える。
◆「マーベル・テラス」を運営しているNPO法人クッキープロジェクトは、大人も子どもも、色々な人が「まぜこぜ」になって暮らす社会を目指し、障害者の社会参加の推進などに関わる諸活動を行う」その核になる材料は、福祉作業所の皆さんが作っているクッキーである。先ず、「同情買い」ではなく、「プレゼントしたい」と思わせるような味と品質で勝負できるクッキーと販売のノウハウを学ぶ。助成金を元に、PR塾を立ち上げ、売れる商品開発や広報の仕方をプロから学ぶ。
◆パレスホテル大宮の洋食レストランの統括シェフが指導者に着いたことで、信頼と品質を上げることができた。県内のクッキーを作っている作業所とのネットワークも徐々に広がり、事業も軌道に乗って来て、先ずは駅前のワゴン販売からスタート。2017年には、さいたま新都心に新しくできた小児医療センターの中に常設店もオープン。その後、皆が集える拠点を模索し「コミューンときわ」と出会い、2020.3.19日にオープンした。
◆見学をして印象的なのは、若尾さんの性格にもよるのだろうが、福祉色を感じない事である。できたばかりの新しいマンション、センスの良い小物やとてもおいしいクッキーの数々。県内の多くの作業所とのつながりも、事業の広がりを感じさせる。しょうが新拠点開設に当たっての「まぜこぜ憲章」や、障害者総合支援法の法内となっていないことも、それに一役買っているのかも知れない。法内化を目指せば経営は楽になるのかもしれないが、今現在与えられた場所で、等身大の取組みをしていることに好感が持てた。
◆自分の中で取り組みたい事。他の事業所等の製品を生かす場や取組み。「買いたい、欲しい」と思わせるような商品やコンテンツの開発。「まめぐらし」のような立体的な取組みにも魅力を感じる。